超塩基性岩(マントル由来の岩石)の炭酸塩化は、沈み込み帯における二酸化炭素を含む流体と岩石の反応によって進行します。しかし、その反応を支配する要因は十分に解明されていませんでした。本研究では、静岡県瀬戸川地域の炭酸塩化した超塩基性岩を調査し、原岩の組成が炭酸塩化の進行や形成される鉱物を大きく左右することを示しました。特に、カルシウム(Ca)に富む単斜輝石岩質の岩石は、Caに乏しいかんらん石質の岩石よりも少ない流体量でリストベナイト化し、ドロマイトを形成しやすいことが分かりました。一方、Caに乏しい岩石では主にマグネサイトが形成されました。これらの結果から、原岩の全岩化学組成、とくにCa含有量が炭酸塩化過程を制御する重要な要因であることが明らかになりました。
Tatsuya Hattori, Ryosuke Oyanagi, Tomoyuki Mizukami, Yumiko Harigane, Mayuko Fukuyama, Asuka Yamaguchi, Tomoaki Morishita (2026) Carbonation of diverse ultramafic rocks: implications for Ca-rich protolith from the Setogawa Group, Central Japan. Contributions to Mineralogy and Petrology, 181, 74.
https://doi.org/10.1007/s00410-026-02359-0
