柘榴石と共生する金鉱床(ボツワナ)に関する論文が出版されました

ボツワナのVumba緑色岩帯の金鉱床(Somerset depositとArab deposit)では、金を含む硫化鉱物が柘榴石(ガーネット)と共に産出します。柘榴石のU-Pb年代測定から金の鉱化作用の時期が特定され、太古代のリンポポ造山活動と関係した鉱化作用であることが明らかとなりました。本研究室で柘榴石のU-Pb年代測定を行いました。
Mokane, L., Agangi, A., Takahashi, R., Betsi, T. B., Phili, K., Nopeia, M., Kelepile, T., Fukuyama, M., Bagai, Z., Manalo, P. (2025) Geochemistry and U-Pb geochronology of garnet from the Somerset and Arab gold deposits, Vumba Greenstone Belt, northeastern Botswana: implications for the timing of gold mineralization, Resource Geology, 75, e70012.
https://doi.org/10.1111/rge.70012

Goldschmidt2025で研究発表

ドイツGFZ(ポツダム)を訪問した後、7月6日〜7月11日のGoldschmidt(プラハ)に参加。ワークショップとセッションでそれぞれ発表をしました。Ylamさん(オンライン参加)はポスター発表をしました。

オマーン・ロディンジャイトに関する論文が出版されました

オマーン掘削プロジェクトで採取された蛇紋岩化したかんらん岩中にみられるロディン岩について研究をした論文です。ロディン岩をつくる交代作用に関与した流体とその後の変質作用における流体の特徴を明らかにしました。5年以上前の共同研究です。
Alireza Eslami, Benjamin Malvoisin, Mayuko Fukuyama, Marguerite Godard, Yuji Ichiyama, László Előd Aradi, Katsuyoshi Michibayashi, Zaicong Wang, Ming Li, Alessandro Cavallo, The Oman Drilling Project Science Team. (2025) Xonotlite and pectolite in rodingites from the Samail ophiolite: Markers of reducing conditions and element transfer during peridotite-gabbro interaction. Lithos, 512-513, 108160. https://doi.org/10.1016/j.lithos.2025.108160

苦鉄質グラニュライトの変成履歴を解析した論文が出版されました

アフリカ・リンポポ帯に産する太古代の苦鉄質グラニュライトという変成岩がの辿った地質イベントの履歴を岩石の年代・化学組成、鉱物の組織・化学組成、相平衡モデルから解析した論文です。ボツワナ工科大学のRajesh先生との2本目の共著論文です。
Rajesh, H. M., Safonov, O. G., Belyanin, G. A., Santosh, M., Zhang, Z., Tsunogae, T., Fukuyama, M., Vorster, C., Gao, P., Keeditse, M. (2025) Nature and timing of polymetamorphic, anatectic and metasomatic events in mafic granulite in Archean high-grade terranes: Scenario from Central Zone of the Limpopo Complex, southern Africa. Precambrian Research., 426, 107831.
https://doi.org/10.1016/j.precamres.2025.107831

花崗岩ジルコンのメルト包有物に関する論文が出版されました

花崗岩中のジルコンの多相固体包有物を均質化なメルトにし、花崗岩マグマのメルトのH2O活動度、圧力・温度条件を調べた研究です(対象は中新世花崗岩の甲斐駒ヶ岳と愛媛・御内深成岩体).U-Pb年代測定も行っています.多相固体包有物を均質化するのは大変ですが、メルトの情報を知るには良い手法です.
Yuka Taniwaki, Toko Fukui, Satoshi Saito, Mayuko Fukuyama (2025) Hygrothermobarometry for granites using melt inclusions in zircon. Lithos, Vol. 504-505, 108029.
https://doi.org/10.1016/j.lithos.2025.108029

地質学雑誌に秋田県竜ヶ森に関する論文が出版されました

竜ヶ森は秋田県北部の大館市と北秋田市に位置する山です.ここに分布する竜ヶ森花崗岩類の年代測定を行いました.この時期は日本海が拡大した時期にあたり,当時の火成活動が日本海側だけでなく東北日本の脊梁山地まで広がっていたことがわかりました.
福山繭子・小笠原正継 (2024) 秋田県北部,竜ヶ森花崗岩類のジルコンU-Pb年代. 地質学雑誌, 130 (1), 457-467.
https://doi.org/10.5575/geosoc.2024.0029