マテリアル・エレクトロニクス分野における女子学生の活躍
興味のあることから、探求したい学問を見つけられる! 小林 穂乃香さん

皆さんは、スマートフォンでゲームをしたり、VRゴーグルで仮想空間を体験したりすることはありますか? 私たちの生活に欠かせないようになったこれらの技術は、実は「電子」という小さな粒子が生み出す電気の力で動いています。
総合環境理工学部 環境数物科学科 機能デバイス物理コースでは、そんな「電子」の世界を深く掘り下げ、スマートフォンに使われている高性能なカメラの開発や、次世代のディスプレイ技術の研究など、最先端の電子デバイスの開発に取り組んでいます。例えば、スマートフォンの中にどんな仕組みが隠されているのか、VRの世界をどうやって作り出すのか、といったことを学び、自ら新しい電子デバイスを創り出す経験をすることができます。
私は、現在の電気電子工学コースで学んだことを活かして、大学院に進み、より深く電子デバイスの研究をしたいと考えています。特に、液晶レンズのテーマに興味があり、このテーマの研究を通して、将来は世の中にないような製品を開発したいと考えています。大学院では、研究室で実験を行い、学会で研究成果を発表することで、自分の研究を多くの人に知ってもらいたいと思っています。
将来の夢を実現するための大学生活 伝法谷莉南さん(2024年3月大学院修了、ぺんてる株式会社)

大学時代は、教員免許の勉強をしながら、液晶レンズの研究に没頭していました。 液晶分子の配向シミュレーションや、実際に液晶レンズを作製するなど、ソフトウェア開発からものづくりまで幅広い経験を積みました。特に、河村研究室では、エレクトロニクスの基礎も学ぶことができ、ものづくりに対する深い理解を深めることができました。
大学院では、液晶討論会に2度発表し、全国の研究者と交流した経験が大きな財産となっています。 様々な研究に触れる中で、自分の研究の課題や可能性を再認識し、研究に対するモチベーションを高めることができました。
私は、生産企画部に配属になり、商品の品質や原価、生産等を管理をしています。大学で培ったデータ整理力や分析力などの能力に活かしています。 研究で得た知識や経験は、これからの仕事をするうえで、大きな力となっています。
秋田大学 総合環境理工学部 環境数物科学科 機能デバイス物理コース エレクトロニクス分野で学ぶことは、単に知識を身につけるだけでなく、自ら考え、行動し、そして社会に貢献できる人材へと成長するための素晴らしい機会です。 私のように、研究を通して専門性を高め、それを活かして社会で活躍したいという方は、ぜひ,機能デバイス物理コースで学んでみたらどうでしょうか!
科学の扉を開こう! 君の未来は無限大! 檜山日和さん(2024年3月大学院修了、株式会社ミツトヨ)

私は,株式会社ミツトヨに就職しました。ミツトヨは、世の中のあらゆる製品の品質を支える、精密な測定器を作っている会社です。小さなネジから大きな機械まで、ものづくりには正確な寸法が大切です。ミツトヨの測定器は、その正確さを保証する重要な役割を担っています。例えば、あなたが使っているスマートフォンも、ミツトヨの測定器でつくられた部品が使われているかもしれません。
液晶レンズは、電気を加えることでレンズ部の屈折率を変化させ、ピントを合わせることができるんです。私の研究では、このレンズの性能をさらに高めるために、レンズの内部にある『引き出し電極』という部品に注目しました。この電極の形や配置を工夫することで、欠陥のないレンズ構成を考えました。
大学院では、このアイデアをもとに実験を行い、様々なデータを集めました。そして、学会で研究成果を発表する機会を何度も得ることができました。最初は緊張して上手く話せませんでしたが、回数を重ねるうちに、資料作成の仕方や聴衆への伝え方など、プレゼンテーション能力が飛躍的に向上しました。
この研究を通して、実験計画を立て、データ解析を行い、そして自分の考えを論理的に説明する能力を身につけることができました。これらの経験は、将来、どんな仕事をするにしても必ず役に立つと思います。
世の中を便利にする次世代IoT(Internet of Things)機器の開発を目指して 畠山 佳琳さん


秋田市内の中学・高校を卒業して、AO入試(現 総合型選抜)で秋田大学に入学しました。
私は幼い頃からものづくりが大好きだったので、将来は漠然とものづくりに関わる仕事がしたい、と思っていました。しかし、高校に入学した当時の自分は、まだ何になりたいのか分からず、周りのみんなのように夢を話すことができませんでした。
受験期を控え、オープンキャンパスで様々な大学を訪れるうちに、未来の製品の開発に繋がる研究が機能材料分野にあると知り、これがきっかけで、秋田大学の機能材料が学べるコースを志望し、AO入試(現 総合型選抜)で入学しました。
大学入学後、1~3年生の間は電子工学や材料工学などの科目の勉強に取り組み、コースでの学びを深めていきました。ここで、私がAO入学で良かったと思ったことは、入学時に配属希望のコースが決まることでした。一般入試等で入学した人は、学科一括で入学し、途中で配属コースを決めることになっているのですが、成績などの関係で希望のコースに配属できなかった同級生も居ました。私の場合、自分が決めた道が確保されていたので、余分なプレッシャーなどなく、自分の興味を基準に講義を選択して勉強することができました。その結果、かえって良い成績を取ることができ、この後に記載する4年次の研究室配属において、希望通りの研究室に所属することができました。
また3年生の夏には、これらの学びで興味を持った分野の企業のインターンシップに参加しました。そこで世の中を便利にする製品を支える機能材料の開発を目の当たりにしたことで、「私も機能材料の開発をして、自分が携わった製品を世界中に届けたい!」と目標がよりはっきりし、進むべき道を決めました。
4年生になり、希望した機能材料薄膜を研究している研究室に所属してからは、IoT社会の発展に必要不可欠な超大容量メモリや高感度・高出力センサー、ゴーグルを使用するVR(Virtual Reality)の次の技術である立体映像表示ディスプレイ、などの次世代電子機器を実現できる可能性がある、新しい磁性材料・誘電材料の開発に関する研究に従事し始めました。特性を改善したり新機能を創出したりできれば、機器性能の向上や新しい機器の創製などにより、世の中をもっともっと便利にすることができます。
大学院に進学後も引き続きこの研究を進め、大学院博士前期課程の2年生になると、IoT関連製品用の電子部品を開発製造している超大手メーカーへの就職が決まりました。受験期に思い描いた道が実現しました。また9月には、日本磁気学会学術講演会でこれまでの研究成果を発表したりなど、とても充実した大学生活を過ごすことができました。これからの社会人生活では、次世代製品の開発を通して自分の夢を本当に叶えるべく、精一杯頑張ろうと思っています。
秋田大学は、落ち着いた環境で日々の学習・研究・趣味に打ち込めるだけでなく、分からないことを先生に聞きやすい環境があります。将来へのイメージをしっかり持っている人にとってはもちろん、かつての私のような人も、秋田大学ならその道が開けると思います。また就職活動中、大学への入学形態(どのような入試で入学したか)を問われたこともありましたが、大学在学中に何を学び何を頑張ってきたかの方が重要なので、AO入試だの一般入試だの、基本的にはあまり関係無いように思いました。実際、そのことを聞かれた会社からも内定をもらいました。総合型選抜や学校推薦型選抜での入学をお考えの皆さんには、入学形態は気にせず、逆にその利点を生かして、大学での学びを深め、自分の道を実現してもらいたいと思っています。
皆さんも総合型選抜・学校推薦型選抜で機能デバイス物理コースに入学し、世の中を便利にする次世代IoT機器の開発を目指してみませんか?