解析学・数値解析の研究
逆問題
スイカの中がどうなっているか分かっていれば、叩いた時どんな音がするかは計算で分かります。でも, 叩いた音からスイカの中を推測するのは難しい。前者は順問題の例で, 後者は逆問題の例です。 逆問題の中でも, 主として「未知の形を推定する逆問題」をベイズ推定法も用いて研究しています。磁石の内部の状態を調べる逆問題に、人工ニューラルネットワークを適用してみました。これらの AI をデータを用いて作ることを「機械学習」といいます。機械学習(による AI の作成) は逆問題の一種であると考えることができます。
数学的ツールとして, 積分とそれを基礎とする確率論(ベイズ推定法は確率論における推定方法のひとつです)を主に使っています。その際用いる積分(ルベーグ積分)と高校で習う積分(リーマン積分)を図にすると,下のような感じです。

乱流の動力学
我々の身の回りにある水や空気の流れは乱流と呼ばれる複雑で不規則な運動をしています.
乱流は大きな自由度をもつカオス力学系です.複雑に見える流れの中に,抵抗低減など工学的に重要な問題にかかわる秩序運動を見つけることができます.自発的に発現する秩序について,大規模数値計算と力学系理論を用いた理解と応用に興味を持っています.

惑星規模の流体現象
惑星大気にはジェット流と呼ばれる東西方向の強い流れが存在し,例えば,木星には約20本,金星は1本のジェットが観測されています.自転によるロスビー波がジェット流の形成に寄与していると予想されます.強非線形の乱流と線形の波動が本質的な役割を果たす流れの基礎研究を行っています
