数理科学分野における留学生の活躍

テイ カイ 数理科学コース 2年次 (中国出身)

・秋大に留学すること 

留学する動機
 科学者に関する本を読むことが好きです。子供の時期から時間がある時、図書館で科学者に関する本を読んでいました。科学者は真理を求めるため、どんな困難を越えられました。とくに、湯川秀樹さんが書いた『旅人』いう本の影響で、日本に留学する夢を持ちました。


秋田大学の数理科学コース
 秋田大学の数理科学コースでは 数学、物理学、情報科学を総合的に学ぶことができます。 また、数理科学コースは少人数制という特徴があり、先生たちは各学生に応じて、個別に勉強のアドバイスを提供します。さらに、週一回の数学と物理の質問教室があり、数学と物理学に関するあらゆる質問に答えていただけます。


大学の生活
一年生の初めは不安でした。しかし、先生のおかげで不安がなくなりました。例えば、線形代数の授業が終わった際 、先生が私に「分からないことがあれば、遠慮なく質問してください」と声をかけました。それをきっかけに、質問教室を活用するようになりました。
 また、大学で友人ができて、毎週図書館のグループ学習を利用して、数学と物理の問題を検討しながら、勉強しています。難しい問題があっても、一緒に乗り越えたとき、楽しかったです。
 先生たちの授業の魅力を感じています。例えば、数学の証明に関する話で、先生は「数学は登山のようなもので、先に登った人が頂上に到達できなくても、その道に印が残り、後の人の道標になり、どんなに難しい問題でも、次々と挑戦する人々が現れ、必ず解決できると信じています。」と言いました。数学者たちはロマンチックな人々だと思います。この言葉に強く心を惹かれました。


これからの目標
 中学のとき、「完全なる証明」を読んだ後、グリゴリーペレルマン数学者に興味を持ちました。グリゴリーペレルマン博士はポアンカレ予想を証明した数学者です。ペレルマン博士が楽しんでいる数理の世界を理解したくて、ポアンカレ予想の証明内容を理解したいです。これは今の目標です。
 そして、この目標を達成した後は、科学者のように真理を求め、人工知能の自然言語処理に関する研究者になり、人格を模擬できるAIを開発したいです。

リョウ トウヒ 数理科学コース 4年次(中国出身)

対戦ゲームの分野において、人工知能は囲碁や将棋といった完全情報ゲームだけでなく、より複雑な不完全情報ゲームにおいても人間を上回る能力を発揮しています。これらのゲームは単なる娯楽の枠を超え、その中で用いられる戦略は実社会の課題解決にも応用可能です。例えば、追跡ゲームにおける戦略は、動的環境における経路計画問題などに活用できます。私は、人工知能を用いて追跡ゲームを含む対戦ゲームの分析を行い、その戦略をさらに改良することを目指しています。

これまでの3年半にわたる大学生活は、私にとって非常に充実した時間でした。授業での学びだけでなく、日本人の友人や他国からの留学生との交流を通じて、多文化に触れる貴重な経験を積むことができました。また、日本の伝統文化や地域文化にも多く触れる機会があり、特に秋田県内で参加した祭りは、今でも深く心に残っています。

日本への留学は、私にとって特別であり、かけがえのない経験です。勉強だけでなく、日常生活を通じて日本の文化や社会を直接体験することで、自分の視野を大きく広げることができました。これからも、学びや生活の中で新しい挑戦を続け、さらなる成長を目指していきたいと考えています。

リ ゲイトウ 数理科学コース 2年次 (中国出身)

秋田大学の数理科学コースの二年生です。数理科学コースでは、数学、物理学、データサイエンスに関連する理論的な探究を行っています。このコースの魅力について、お伝えしたいと思います。

数理科学を学ぶ動機
数理科学を選んだ動機は、数学と物理学の中にある、シンプルでありながら美しいものに魅力を感じたからです。例えば、

e + 1 = 0  (オイラーの公式)

や、マクスウェルの方程式のように、数学的に簡潔で深い意味を持つ数式が現れることに惹かれました。この美しさが、数理科学の最大の魅力だと感じています。さらに、私もそのような理論や発見に関わり、解明していく一員になれることを期待しています。

今学んでいること
数理科学の二年生では、解析学、代数学、電磁気学などを学んでいます。これらの学習は、これまで学んできたものを再定義し、より深く理解することが求められます。例えば、解析学では、ε-σ論法で極限や連続などの概念が厳密に定義され、多くの曖昧だった部分が明確になります。この段階では、数学や物理学の理論が一歩一歩積み重なって、大きな構造を成していく様子を実感することができると思います。

学習について
数理科学を学ぶ中で扱う対象は、真偽がはっきりしているものが多いと思います。そのため、ある意味では迷いが少なく、学びやすい分野と言えます。また、大学には「質問教室」があり、授業や課題でわからないことがあれば、先生と気軽に相談できます。さらに、同じ興味を持つ仲間と共に学び、互いに助け合うこともできるとおもいます。